
2026年9月16日にNI Days 2026 Japanに行ってきました。私の記憶が正しければ、2018年までは毎年日本でもNI Daysが行われましたが、たしか2019年は東アジア地域は上海だったかな?日本では行われなくなり、2020年はCOVID19の影響でこういうイベントは自粛になり、当然日本でも開催されませんでした。日本でのNI Daysが復活したのは2025年でしたが、このときは私はメンタルブレイク中で参加しませんでした。2026年に仕事をサボる…LabVIEWやNIのエコシステムの動向を調べるために行きました。ちゃんと出張報告はしましたよ。あと、
CLA-R試験を無料で受けられる
というのが大きかったですね。CLA-R試験については CLA更新試験を受けてきました で記述しているので、CLA-R試験を検討している方がいらっしゃるなら多少は参考になるかもしれません。ここでは、NI Daysについて感想を述べたいと思います。
NI Days 2026 Japanのプログラム:NI Days Japan 2026 – NI
*ここからはNI Daysの写真があります。写真を載せていいか当日確認したところ、参加者の肖像権に配慮すれば使っていいとのことだったので載せました。
会場について

この写真は会場の前からとった東京タワーです。まあ、雨天だったので、よく見えないですね。写真にARで写っているキャラクターは駅メモ!のでんこさんで、左が品川めぐるさん、右が日暮里ハルカゼさんです。会場に行く途中で品川駅で乗り換えたのでめぐるさんがいる感じです。ハルカゼさんは私の推しです。

午前中の講演 – 昼食
基調講演がありましたが、CLA-R試験が控えていたのでちゃんと聞いていませんでした…ということにしておきます。
昼食は主催者側が用意してくれました。タダで人の作った食事をいただけるのは最高ですね😊。
午後の講演
CLA-R試験は午前中に終えたのでもう帰ってもよかったですが、さすがに会社から交通費を出してもらっていて、出張報告を書く必要があるので、午後のセッションをいくつか聴講しました。私が聞いたのは、LabVIEWユーザーグループのものです。具体的には
- Nigelで変わるLabVIEW設計コード生成から一歩先へ、UMLとリバースエンジニアリングの実践
- 多様なニーズに応える実験システムの構築 共用研究設備を支えるLabVIEW活用の実践
- AI時代のLabVIEWを考える
- 未経験から2カ月半、学生インターンが挑んだ”生産性の再定義”
を聞きました。この時点ではCLA-R試験も終わったので気楽に聞けました。
Nigelで変わるLabVIEW設計コード生成から一歩先へ、UMLとリバースエンジニアリングの実践

この講演では、フリーランスで活動されていて、日本限定のLabVIEW UML設計コースの考案をした植田氏が、Nigel AIからUML図を作成し、自身の作成されたVI Scriptと比較しながらNigel AIのLabVIEWプロジェクトの分析の妥当性を検証してみた結果を発表されていました。一応、UMLとはUnified Modeling Languageのことで、誤解を恐れずに言うと、ソフトウェアプロジェクトやソリューションの各構成メンバーの関係を表す言語(?)です。クラス図やユースケース図、状態遷移図などいろいろありますが、ぶっちゃけ、私はあまりくわしくないです。UMLはオブジェクト指向プログラミング(Object-Oriented Programming、OOP)でオブジェクト間の関係を図示するのに使われることが多い印象ですが、LabVIEWではOOPを積極的には使わない(と思っている)ので、オブジェクトの代わりにQueued Message Handler (QMH) の各メッセージ処理ループ(Message Handling Loop、MHL)をオブジェクト、そこで使われるタイプ定義クラスタをプロパティ、メッセージケースをメソッドみたいな感じでUML図を作っている印象でした。Nigel AIに作らせた場合は、MHL間の関係をそれらしく矢印で結んだり、プロパティやメソッド的なものも出力していました。これが自作VI Scriptで確認したものと比較して網羅していることが分かってNigel AIやるじゃんという感じの流れでした。UML図については詳しくないですが、Nigel AIはAzure OpenAIを利用しているので、Markdown記法で出力させることとかはできるんじゃないかな?MermaidはOllamaに作らせたことがあります。
個人的には、自作VI ScriptとNigel AIならたぶんNigel AIのほうを信用するだろうなぁと思っています。あと、Nigel AIに分析させたのがおそらくNIの推奨するパターンをベースに作ったものだと思うので、スタックシーケンスが何重にもネストしたようなVIを解読したり、リエンジニアリングやリバースエンジニアリングしたりできるかは謎ですね。
多様なニーズに応える実験システムの構築 共用研究設備を支えるLabVIEW活用の実践

これは大阪大学の風洞でLabVIEWを使っていて、学内でどうやってLabVIEWのノウハウを伝えていくかというものでした。風洞ではLabVIEWが標準装備のようです。昔は専任の技官や職員しか使えなかったものをどうやって自動化して属人化を防ぐかという課題は産学どこでもあると思いますが…大学の共用設備で予算を確保するのって大変なんだなぁという印象でした。百万円単位のものは予算が下りないので、数万円とかで備品を買って自分で作業してきたという感じでした。私も、新卒採用で入社した会社である治具を作るときに、先輩社員にごみ捨て場に案内されて使えそうなごみを漁ってそれらしいものを作ったという経験があるので、予算がない中でありものでなんとかするというのは経験があります。…でも、それは実験あるいはPoCまでで、売り物にしたり売り物を作ったりするならやっぱりお金ですね。
AI時代のLabVIEWを考える

これは、最近話題の生成AIさんをどう活用するかというものでした。生成AIは基本的にネットにある情報を参考にして統計的に処理するものなので、PythonとかC#のような大量に情報がある言語は得意な傾向がありますが、LabVIEWのような情報が少ない開発環境はそんなに得意ではないというところがあります。まあ、Nigel AIの作るVIを見ると、よくできているなと思う反面、そのままでは使えないことがあるので、メジャーではない言語では人間がデバッグする必要があります。また、生成AIさんは関数の実装は得意ですが、大規模なプロジェクトやソリューションの設計は現状ではそこまで得意ではないので、そこは人間がやったほうがいいという感じでした。私もそう思っています。個人的には、生成AIに全体設計を任せることは現状ではせずに、全体を決めた後にクラスの階層やプロパティをどうするかとかを相談する感じがいいのかなと思っています。VI作成はサブVIにする前提ならNigel AIがよくやってくれますが、そこは私がやりたいので生成AIにはやらせないかな?
未経験から2カ月半、学生インターンが挑んだ”生産性の再定義”
これは日本NIにインターンで入った学生さんが数か月で作った成果物を発表するものでした。大人が大人げなく学生さんをいじめる場にするかと思いましたが…こういうところで発表する学生さんって優秀なんですよね。なんか、人工衛星的なものを打ち上げたり、ローバーを月面に走らせたいとか言ってたり、ローバーの世界大会とかに参加したりしていますし。でも、学生さんが数か月で作ったVIなんて大したことないだろ、と思っていたら…



…普通にすごいんですけど。私はハルカゼさんのようにドン引きしていました。だって、私が大学生/大学院生のときは研究に向いてないからとっとと修了したいと思っていましたし、研究もやる気なかったですからね。あと、私がLabVIEWを使い始めてからCLAD取得まで数年、LabVIEW Real-TimeやLabVIEW FPGAを使うまで5年ぐらいは経過しているので、それを数か月でやるのはすごいなぁ…と感嘆するばかりでした。LabVIEWについて独学ではなくちゃんと教えてくれる人がいるのが大きいですね。私の経験上、これだけできるならNIのパートナー企業なら即戦力だと思いますが、もっと大きな志を実現できる企業や機関で活躍するのでしょう。
展示物について
NI Daysでは、NIのパートナー企業が展示をしていました。展示物はだいたいがLabVIEWとPXIで何かやりましたというものです。最近の流行が生成AIということもあり、生成AIをLabVIEWに組み込んで何かするものが多かったですね。特にClaudeを利用したものが多い印象でした。まあ、やっていることはLabVIEWをHTTPクライアントにしてサーバーで動いているClaudeとAPIでつないでいるんだろうと思いますが。私はClaudeのAPIにアクセスしたことはないですが、生成AIのアクセスについては規格とまではいかなくても大体やり方が決まりつつあります。私もLabVIEWからAzure OpenAIと接続したことがあるので、たぶんこんな感じのことをもう少しビジネスで使えるようなroleを設定してやっているのでしょう。
感想
今回のNI Daysのテーマを見る限り、やはり生成AIが流行していると感じました。しかし、Nigel AIに関してはLabVIEW Professional Development SystemかLabVIEW+ Suiteぐらいでしか利用できないため、ここの門戸をもう少し広げてほしいですね。Communityで使わせてくれとは言わないですが、せめてBaseパッケージ以上で使えるようになってほしいところです。

